2010年5月19日水曜日

重松清 著「カシオペアの丘で 上・下」完読

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった・・・・。
肺の悪性腫瘍を告知された三十九歳の秋、二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこにはかつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪の物語が、静かに始まる。「僕は許してもらえるんでしょうか。許されて死ぬことができるんでしょうか・・・」苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語。




重松清 著「カシオペアの丘で
裏表紙のあらすじを書き写しているだけで、思い出して涙が出てきそうです。これほど涙をこらえながら読んだ小説は初めてだったかもしれません。移動の電車の中、これ以上読み進めると泣きそうで一時中断したことも、スポーツジムのバイクを漕ぎながら読んでいて、汗のふりしてタオルで涙をふいたり・・・・。

あらすじは、詳しくは書きませんが、少々、ドラマチック過ぎる感は否めません。「映画っぽい」と言えるかも・・・そうそう、映画やドラマなど映像化に向いていそうな内容ですね。そういう意味でも、「読みやすい作品」といえると思います。
重松作品は「流星ワゴン」「熱球」「送り火」と、この「カシオペアの丘で」の4作品しか読んでいませんが、今の私の感情にどストレートで突き刺さったようです。「流星ワゴン」を読んだ時には、あまり感じなかった衝撃でしたが、それは、作品の善し悪し、好き嫌いの問題ではなく、読み手(私)側の「今」の「環境」「感情」に左右されたと感じています。つまり「今の私」にピッタリはまったって事ですね・・・主人公の年齢も近いし、「がん」という言葉にも現実味があったりと・・・。これで私に小学生の息子でもいたら、もっと、ボロボロだったかも・・・(逆に、出来すぎたハナシに冷めてたかも?はわかりませんが)。

つい先日(おととい)、高校時代からの友人SG氏と呑みました。実は、偶然にも、彼もちょうどこの文庫本を読み終えたところだったようで、同じような事を言っていました。45歳にもなれば、何故か「涙もろく」なってくるのかな〜。
SG氏曰く「で、お前は、シュン? トシ? ユウちゃん? だれの立場?」って。
悩んだ挙句「おれは、シュン かな・・?」って言いましたが、よくよく考えてみると、シュンではないな〜、しいて答えるなら「ユウちゃん」かな〜?

村上春樹作品の「ぼく」が一番好きな管理人でした。


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